隧道の詩

定形も自由もいろいろ

不安定な気持ちを言葉にしたい。それだけの気まぐれなブログ。口語自由詩ばかり。
くだらない近況報告も挟みつつ。
過去に書いたものも少々。
2016.7.5開設

逃避行

私は24歳になった日に

子供のような善悪を知らぬ男に手を引かれ

虫の羽をちぎって遊んだ

番の蝶々を捕まえて

羽の鱗粉を指で払って

夕立に濡れて

重くなった羽を引きずる蝶々の

メスの片翼をちぎり捨てて草むらに投げ捨てた

オスは大事にコートの内側に匿って

家に帰って餌を与えた

雲が去ったら外へ出て

メスの死んだ草むらに放った

共に遊んだ男は公園のそばの

花壇で花占いをしていた

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