隧道の詩

定形も自由もいろいろ

不安定な気持ちを言葉にしたい。それだけの気まぐれなブログ。口語自由詩ばかり。
くだらない近況報告も挟みつつ。
過去に書いたものも少々。
2016.7.5開設

2019年2月のブログ記事

  • ネオン

    心の貧しい 街の夜に 女の無垢は 破られて 白い吐息の 昇華する 空は重く 近くある ゴミに埋もれた 社畜男の 二つの穴に 馭者の足 コンクリートを 牽いていく 空は狭く 澱むだけ 朝露さえも 輝けぬ 灰色の路地からにらむ ドブネズミ ネオン看板の コードをかじり 空はわずかに 星を見せる 煤けた... 続きをみる

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  • 泥酔

    まあるい月の出る晩に 借金取りがやってくる そいつの頭は林檎みてえに真っ赤っか ピストルで撃ち抜いてやれ 撃ち抜いてやろう なあに近くじゃ屋台帰りの おやじがうるさく鳴いている ちょいと林檎に穴をあけても 誰にもわかりゃしないだろう もしも野次馬が覗いてきたなら 念仏よりありがたい 鉄弾の音を耳に... 続きをみる

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  • 雨雲

    空を飲み込んだ大きな黒い綿の花が 私を包んで冷たくする 昨日買ったクレヨン 飛行機雲 私の心を線引きしていく 曖昧で 散々で どこへ転がっても井戸の奥底 しゃがみ込んで泣いている 私を見つけ出して かくれんぼ 笑顔の裏に かくれんぼ 強がりの裏に かくれんぼ 分厚い壁の向こう ねえ 早く見つけて ... 続きをみる

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  • 無題

    誰も気づかなくていい 鈍い光が照らすその絵になんて 誰も知らなくていい その真っ白な絵の題名なんて 誰も答えなくていい そのなにもない絵に込められた意味なんて 誰も考えなくていい 全てを失ったその絵が描かれた理由なんて 誰も覚えてなくていい それがどんな絵だったかなんて さあもうライトを消してくだ... 続きをみる

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