隧道の詩

定形も自由もいろいろ

不安定な気持ちを言葉にしたい。それだけの気まぐれなブログ。口語自由詩ばかり。
くだらない近況報告も挟みつつ。
過去に書いたものも少々。
2016.7.5開設

電車に揺れる

私は海辺の町には住んでいない

波形も、波打ち際の音も、思い出せない


海辺町を横目に通過する、故郷への電車


ガタガタゴトン、ガシャンガチャン

この揺れが波形で、この音が波の音だと思っている


無機質な海


この海が誰かの命の上にあること、

私達は考えたりしない


車輪のサビが血液ではないと証明できないのに

枕木の下の無数の命は目に見えない


ガタガタゴトン、ガシャンガチャン


この揺れが命で、この音が呼吸だ

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