隧道の詩

定形も自由もいろいろ

不安定な気持ちを言葉にしたい。それだけの気まぐれなブログ。口語自由詩ばかり。
くだらない近況報告も挟みつつ。
過去に書いたものも少々。
2016.7.5開設

電車に揺れる

私は海辺の町には住んでいない 波形も、波打ち際の音も、思い出せない 海辺町を横目に通過する、故郷への電車 ガタガタゴトン、ガシャンガチャン この揺れが波形で、この音が波の音だと思っている 無機質な海 この海が誰かの命の上にあること、 私達は考えたりしない 車輪のサビが血液ではないと証明できないのに 枕木の下の無数の命は目に見えない ガタガタゴトン、ガシャンガチャン この揺れが命で、この音が呼吸だ

嫌い

君が嫌いです 君が宣言する悪意の数だけ 憎しみと冷笑が世界に広がって 君の知らないところで 愛情は死んでいる 後味の悪い人生だって 全部君のせいなんだ

【近況報告】

お久しぶりです。 先日、とある友人から4年ぶりにLINEの通知が届きました。 「そろそろ忘れちゃうかと思って」って 。 みなさんは、4年も連絡のない友達を「友達」と呼べますか?それとももう縁が切れてしまった「知人」だと思いますか? 私ははっきりと「友達」と言えますよ。 私は、会って話をしないと切れてしまうような関係が苦手です。 そこに居て、なにか話したいことがあれば話すけれど、そうでなければヘッ…

時計の音がやけに気になる午後7時 鍋の油が飛んできたので舌打ちをした 足を動かすのも嫌になった 頭痛がするので太ももをつねった チャイムの音が怖かった 孤独に耐えかね目をつぶった 笑うのが少し下手になった 胸が痛むので腕をかじった 手首の肉は甘かった

最後の音

泣けよ少年 駅の構内 カラカラの喉から グワーッと響いて 遠くへ行く君の父へ 鳴けよ少女 駅のホーム その身体をバラバラにして キリキリと揺れる 遠くへ行く君自身の音

【近況報告】

久しぶりの更新です しばらく詩を書かないうちに作風が変わってしまったような気が…… いつか自分の作風を確立したいものです さて、今日は私の誕生日だったのですが 自分の人望の無さに情けなくなり、本当に辛い1日でした 10数人からお祝いのメッセージを貰いましたが、友達だと思っていた人からの連絡はなく、片想いより一方通行な友情ほうがひどく痛いものだなと感じました そんな最低なバースディの最後に暴飲暴食…

最低なバースディ

法律が私達を守っている世界で、 20歳以外の誕生日に意味はあんまりなくて 逆上がりが出来るようになったとか、 わさびが食べれるようになったとか、 親孝行をしたとか、 貯金を数える事が楽しみになったとか、 朝早くに目が覚めるようになったとか、 そんな日が私達のバースデーでいいじゃないか 挨拶より無意味な「おめでとう」が飛んできて、私はカーテンを閉めた 何も無いよ、今日は だって私、何も変われてない…

孤独死

私が綺麗な言葉を書けない間 私は世界のどこにもいなかった レースカーテンの向こう 太陽の光に当てられた人だけが生きていて 愛や恋のことをしきりに歌っていた 透明になりきれない空気が満ちた4畳半 過去の人が歌った青春を聴いている私は 誰にも必要とされていない 醜い自分と対峙して ようやく絞り出した言葉が ベルトコンベアーの上を流れるように外の世界へ出ていって また私を独りにした 世界にたった1人で…

遠距離恋愛ができない人

店の奥の窓際の席 1杯のホットコーヒーから始まったような恋 貴方は1度もカウンター席には座らなかった 遠くから微笑むあなたに 微笑み返せなかったのは 私の理想が、願望が、熱情が あなたと飲んだ最初の1杯の味を インスタントコーヒーより驚きのないものに変えてしまったから 思ったより平凡で、寒い冬の日なら 冷めていくのも簡単なことだった 私、猫舌なの あなたが頼んでくれたホットコーヒーに 氷を一欠片…