隧道の詩

定形も自由もいろいろ

不安定な気持ちを言葉にしたい。それだけの気まぐれなブログ。口語自由詩ばかり。
くだらない近況報告も挟みつつ。
過去に書いたものも少々。
2016.7.5開設

遠距離恋愛ができない人

店の奥の窓際の席

1杯のホットコーヒーから始まったような恋

貴方は1度もカウンター席には座らなかった

遠くから微笑むあなたに

微笑み返せなかったのは

私の理想が、願望が、熱情が

あなたと飲んだ最初の1杯の味を

インスタントコーヒーより驚きのないものに変えてしまったから

思ったより平凡で、寒い冬の日なら

冷めていくのも簡単なことだった


私、猫舌なの


あなたが頼んでくれたホットコーヒーに

氷を一欠片入れて

薄く生ぬるくなる頃には

もう閉店時間が来ている



温めなおそう

そう言ってくれる彼

リビングルームでマグに入ったインスタントコーヒーを飲んでいる

私、いつだって

火傷するくらいのコーヒーが飲みたいの

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