隧道の詩

定形も自由もいろいろ

不安定な気持ちを言葉にしたい。それだけの気まぐれなブログ。口語自由詩ばかり。
くだらない近況報告も挟みつつ。
過去に書いたものも少々。
2016.7.5開設

背景

世界中にあふれている悪意が、私を通り越して、どこか遠い海で
魚のえさになっていればいいのに。


過去の戦争だって、殺人だって、知らなくても生きていけるのだから、
どんな悪意だって私たちには関係ない。


劇の舞台の背景パネルみたいに、あってもなくてもいいようなものであればいい。


夕日が沈んでいく街で、明日が来なければいいと思う事だけが、
唯一の悪意であるような世界で生きてみたかった。


それでも記録される事柄が悪意であふれているから
背景は私達だったのかもしれないと思いながら、
たった一つの悪意と共に眠りにつくんだ。

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